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2004年04月09日

「情報行動の社会心理学」(川上善郎編/北大路書房)

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本書と版元が同じ&関連が深いので紹介.本書が訳書である関係上,どうしても参照される文献が欧米のものに偏ってしまうキライがあるが,インターネット心理学は本邦においても活発に研究されているということを知るためには,この本は他にない良書となっている.

第2章では,インターネット社会における意志決定の問題について,従来の意志決定理論の適用と,その限界点ならびに超克すべき論点について述べられている.第3章では,自己表現のためのメディアとしてのインターネットに焦点を当て,“ホームページ”や“ウェブ日記”による自己表現の例とその動機づけについて分析している.第5章では,インターネット上の人間行動と心理に関する問題意識と,日本・海外における従来の研究についての簡潔なレビューが為されている.

本書ではさらに(というか,全体としてはそっちがメインの内容かもしれないが),その他のメディアに関する社会心理学的な研究の概要と,人間が様々な情報をどのように受け入れ,処理し,行動しているかに関する多くの議論を得ることができる.

なお,本書の書評を訳者(三浦)が「社会心理学研究」第17巻第2号(2002) p.109-110 に執筆している.

Posted by asarin at 2004年04月09日 22:19 | TrackBack